『奇跡のリンゴ』

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 養子先のリンゴ畑を継いだ主人公が、持ち前の凝り性がものをいい、減農薬から無農薬農法を試み、苦難の末ついには成功させるというお話しです。
 かなり評価が高いようで、また全国でロングラン公開されているようですが、それほどのものとは思えませんでした。

 主人公の行動をみていると、無農薬農法に走ったのはどうしてもしなければならないというわけではなさそうです。
 説明として、体質的に農薬に弱い奥さんのためとのことですが、手袋やマスク着用など他に手段があるのではないでしょうか。単なるマニア的な興味からとしか思えません。
 また無農薬といいながらも、ワサビを葉に塗るなど、なんらかの有機的な対応をしています。ああいうのも広い意味で農薬といえるのではないでしょうか。

 当初4つあるリンゴ畑のうち1つだけを実験用として利用していたものの、次第にのめりこんでついには4つすべてをつぶしてしまいます。
 当然のことながら家族は窮乏生活を強いられます。ついには、電気を止められてしまい、農場へ通うための軽トラックも手放さざるをえず、あげくの果てにはリンゴ栽培にのめり込みながら、所得税の不払いでかんじんのリンゴ畑を差し押さえられてしまうなどという、笑い話にもならないことになってしまいます。
 つまりもっとも厳しいいい方をすれば、全財産を相場やギャンブルにつぎ込んで家族を破滅させようとした話ととられてもしかたないでしょう。
 結末は、最後の万馬券があたったのでなんとか息を吹き返したというところでしょうが、感動とはおよそほど遠いものがあります。

 結局この主人公は、破滅型の人物だったというところでしょうか。ということで主人公に対してまったく共感できませんでしたし、怒りさえ感じた作品ともいえます。
 実話を基にしているとのことですが、この人物についてもまったく知りませんでしたし、またリンゴ栽培どころか農業についても無知に近く、この映画を観た範囲での感想でしかありませんけど。

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